※注意
当ブログは次元振動に飲み込まれました。
なのでZシリーズの申し子である私の平行世界の同一人物であり戦友(とも)*1であるまるまるさんさん(@marumaru_sansan)が記事を書いています。
Zシリーズとなればスパロボ老害の俺より彼の方が圧倒的に適任だから仕方ないね。
ゲーム「スーパーロボット大戦」におけるエヴァンゲリオン の扱い:Q
ゲーム「スーパーロボット大戦」におけるエヴァンゲリオンの扱い:序 - 魔を断つ剣は未だ折れず
ゲーム「スーパーロボット大戦」におけるエヴァンゲリオンの扱い:破 - 魔を断つ剣は未だ折れず
第三次スーパーロボット大戦Z 時獄編
スーパーロボット大戦のZシリーズ最終作に「新劇場版:序・破」が参戦。
今作は公開から時間が空いたため、Lでは描かれなかったビースト弐号機や参号機が参戦している。
本作ではZシリーズの途中から、それも異世界から本編世界にやってくるという設定のため、かなり浮いてしまっている。
だが「ルルーシュが奥の手で自軍の全エネルギーを初号機に集め第6の使途を倒す」「スパイとして潜り込んできたジンと親友となる」「カレンがシンジとアスカの姉貴分となる(アスカとは”赤い弐式”のパイロット同士で共通点もある)」等クロスオーバー自体はそこそこあり、扱いは悪くはない。
特筆すべきはシンジと他版権キャラとの関係性で、赤城やカレンといった年上のキャラから影響を受ける一方、彼もまたジンやユノハといった同年代から年下のキャラに影響を与えている。
この辺りはLから引き続きやられていることで、「他版権キャラに引っ張ってもらわなければいけない弱い男」という従来のスパロボシンジ像からはもう脱却したと思って良いだろう。
新劇場版のシンジがスパロボシンジと揶揄されるのは正直苦手(シンジは元々強い男なので)なのだが、それが1週回ってスパロボ側に良い影響を与えてくれたのは感謝しかない。
さて、知っての通り新劇場版は破で終わりではない。「L」ではまだ続編が制作されていなかったため強引に終わらせたが、今回は公開から十分に時間が空いての参戦である。そして、第三次Z自体も時獄編で終わりではなかった————
序破から始まった物語は、
本来ならこの世界で急となるはずが、
少しのきっかけでQへと変容した
第三次スーパーロボット大戦Z 時獄編
お ま た せ
Zシリーズ真の最終作「第三次スーパーロボット大戦Z天獄篇」には、当時最新作の「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が満を持して参戦した。
まず今作自体がとんでもないスパロボなのだが、話すとそれだけで記事1本分の長さになってしまうので割愛する。
そして、それに比例するようにエヴァンゲリオンの扱いもそれはもう大変なことになっている。
まずは序盤、唯一登場していなかった第10の使途が襲来し、ニアサードインパクトが起きてしまう。この時、エヴァンゲリオンの人達は全員元の世界に戻る。
話はここで終わらない。続いて中盤、存在を忘れかけていたところで14年後の世界からパイロット達のみ唐突にやってくる。
確かにZシリーズでは次元振動など呼吸と同じだ。次元振動と共に敵や味方が飛んでくるなど日常茶飯事で10や20では足りないだろう。しかしここまで露骨に「面倒臭いので別世界に隔離しときます」というような使い方をされたのは後にも先にもここだけである。
そして物語終了後、元の世界に返ってシン・エヴァに続く、といったところでエヴァの話は終了する。(この頃は公開していないため続く予定)
しかも序破の時と異なりパイロット達しかいない&別世界で進むため原作再現はない。初参戦とは何だったのか。
ただしこれは正直分からなくもない。ストーリーが地続きの物語で、1作だけ「14年経過して世界が滅亡間近」という状況になっては、やらないか隔離するか、道は2つに1つしかなかっただろう。
問題はここから。ではキャラの掛け合いによるクロスはどうかと言うと、
これである。これでクロスなどできるだろうか。
そもそも他キャラに関わる気が無い宣言と、恐らく最も重要な要素である14年経過を隠し、本当に最後まで気付かれない。
一応完全に関わらない訳ではなく、シンジは自軍と関わることで前向きになっていき、アスカはカレンと話す時だけ昔のようになるというようなものはあるが、その程度である。マリとカヲル君はマジで何もない。他版権キャラと話してる所をまるで思い出せない。
一体何のために出てきたんだと言いたくなるが、では設定面ではどうかと言うとこれもダメ。せいぜいカヲル君がシンカを果たした程度で、EVAという機体もサードインパクトも補完計画も使途も全てエヴァの中だけで完結している。
今作では、Zシリーズの参戦作品のあらゆる世界に「クロノ」という組織が関わっていることが明かされる。コーディネーターもデスティニープランもラプラスの箱もメガノイドもこの組織が関わっているというユーゼス・ゴッツォもビックリの雑なクロスオーバー()が繰り広げられる。列挙した要素から分かると思うが、人の進化に関するあらゆる版権要素はこの組織に通じるのだが、碇ゲンドウもNERもはクロノではないしチルドレンはもちろんクロノと関係ない。(新劇場版設定ではチルドレンの設定自体フワフワしてるという事情は一応あるが)
もう1つ、今作には「バアル」という概念も存在する。大体宇宙規模の敵か言葉が通じない系の敵の総称だと思ってくれればいいが、使徒は当然のようにここにカウントされない。
確かに「喋れない敵はみんな一緒なw」など思考を放棄した最低のクロスオーバーである。しかしここで問題なのは、エヴァへの忖度が過ぎるあまり最低のクロスオーバーすらさせてもらえなかったことだろう。
原作再現はない、キャラとしても作品としてもクロスもしないお客様。それが天獄篇のエヴァQである。
確かに事情を鑑みれば苦労したことだろう。シリーズ最終作の目玉として強引にねじ込まれたのは想像に難くない。それなのに世界観が特殊過ぎることから、試行錯誤を重ねたのだろう。
だとしても、例えばスパロボオリジナルの路線で進めて終わらせることはできなかったのだろうか。公開していなかったシン・エヴァに合わせて忖度をする必要などあったのだろうか。心だけ14年経過したと判明したアスカを自軍は普通に受け入れ、自軍のピンチにヴンダーが駆けつけてきて、補完計画が発動してでCの世界にいた綾波と再会して、そういうのがスパロボではないのか。
僕には逃げているようにしか思えない。触れて怪我をする、あるいは傷付けることを恐れて、再現もクロスも放棄した。大事にはしているんだろうと思う。世界観とキャラを大切にし尊重する。そのために他作品の不純物を混ぜないことを選んだ。
これまでエヴァで散々手を汚し続けてきたくせに、手を汚す勇気も覚悟も持ち合わせていなかった結果がこれだ。
これは今作だけの問題ではない。エヴァを扱ってきた歴代スパロボの負債、そしてスパロボのシリーズ物という枷が重なり、爆発した結果でしかないと思う。
第三次Z天獄篇から6年経った2021年。新劇場版はシン・ヱヴァンゲリオンで完結し、スパロボも30周年を迎えた。
30周年記念作「30」において、Zシリーズの宇宙は古のものとなった。
これから先、シン・エヴァンゲリオンも当然スパロボに参戦し、当然破格の扱いになるだろう。是非ともこれまでのスパロボエヴァを古のものにしてもらいたい。
終局「ゲーム「スーパーロボット大戦」におけるエヴァンゲリオンの扱い:シン」