機動戦士ガンダム水星の魔女 総括(2023/08/01追記)

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とりあえず、まずこれを見て欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

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劇場版 機動戦士ガンダムSEED公開決定!🎊

 

劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』第1弾PV - YouTube


まさか本当に制作が進んでるとは思ってなかった。サンキュー福田 ファッキュー両澤

 

本当はオチに持ってこようと思ったけど生スパをオマージュして最初に持ってくることにした。

 

 

 

ではガンダム水星の魔女(以下水星)の話に戻ろう。

 

 

 

先に結論から言います。本作は 


制作陣の「やりたい事リスト」を雑に消化するだけのアニメ

です。

 


学園ドラマも、ポリコレ要素も、企業間の対立も、戦争シェアリングも、差別問題も、起業ごっこも、決闘ごっこも、百合ごっこも、もっと言うと過去のガンダムシリーズのオマージュも全部制作陣がTwitterでバズるための「やりたい事リストのひとつ」でしかない。一つ一つが軽いのだ。

 

なので、この作品には思想や視聴者に伝えたいメッセージは無い。商業的には「ガンダム50周年に向けて客層を拡張する」がコンセプト*1なのだと思うが、作劇においては何もない。

基本的に大河内脚本の構成は「びっくり箱」であり引きのインパクトだけはあるが、それだけである。ギアスR2は第一期の貯金や谷口監督の存在があったから綺麗に完結できたものの、ギルティクラウンやヴァルヴレイヴはびっくり箱そのもの。 

こんな全てが浅い駄作を叩いても何も得られないのだが、2クールを耐え抜いた証くらいは残しておきたいので雑にまとめます。

 

まずこの図を見てほしい。

物語終盤で公式が本編外でいきなり明かしてきた「戦争シェアリング」の秘密がこれである。

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は?地球ってパーメットが採掘できないから貧乏なんだよな?何を「支払い」してるんだ?地球の財力が無限じゃないと成立しないじゃん。それともこの世界のモビルスーツってサブスク感覚で使えたりするのか?

地球では絶えず戦争が起こっているようだが、第15話でほんの少し描写されただけである。

だが話を先に進めるために設定のガバには目を瞑って欲しい。とにかく「宇宙移民者に地球人は搾取されている」という情報だけ覚えておけはいい。

宇宙議会連合*2というそれっぽい組織もあるが、舞台装置程度かそれ以下の扱いであり、あの宙域の一応の統一政府なのか、それともフロント間の政治問題を調停するだけの独立組織なのか、もしくは複数の企業国家やフロントが加盟してる国連みたいな組織なのか。その全てが不明なまま作中全ての事件がとある理由によってクッソ雑に解決した。どうやって解決したのかは後述する。

ちなみに一応主人公とされているスレッタ・マーキュリーはこの辺の問題と何一つ関係ない。悪名高いシン・アスカの方がよっぽど主人公していた。

 

問題点は数えたら150個くらいあるんだが、志が低い作品の支離滅裂な設定にケチをつけてもしょうがないので設定面以外での本作最大の問題点を三つだけ挙げようと思う。

 

今更だけど本編観てる前提だからめちゃくちゃ説明は省きます。

 

 

 

ロボットがカッコ悪い

例えば「鉄血のオルフェンズ」や「W」のストーリーはお世辞にも面白いとは言えなかった。しかし玩具販促番組としては間違いなく一流であった。ガンプラはとても安いのでかっこいいモビルスーツが派手なアクションを繰り広げるだけで購買欲が湧くだろう。

しかし水星はどうだ?正直モビルスーツデザインは好みの部類に入る。エアリアルは奇抜ながらシンプルにまとまったデザインでとてもかっこいいと思うし、ミカエリスなんてまさに令和のギャンだろう。ファーストガンダムが好きな身からしたらサブフライトシステムの復活は嬉しかったし。

じゃあ何がクソなのか?理由はたった一つ。

ガンダムが戦わないからだ。

もちろん学校内でのテロ鎮圧や生徒同士のケンカ(企業同士の代理戦争でもある)くらいには使われたが、地球で起こっている戦争・紛争には一度も介入しない。エアリアルやダリルバルデは政治的な駆け引きに使われていたのでまだマシだが、基本的にガキ同士の私闘にしか使われない。何がおもろいねん。鳴り物入りで登場したシュバルゼッテは金持ちのオモチャ程度の扱い。スレッタが最後に乗るキャリバーンに関しては撃墜数ゼロでただビームを避けているだけのつまらなさ!

でも主役機エアリアルの系列機体だけはよく売れたらしいので本編観ずに買うようなイナゴモデラーには感謝した方がいい。ラスボスになった主役機ってシリーズ初*3だしそういう意味でも泊はつくよね。

とにかく本作は玩具販促番組として最悪の出来である。

当たり前だ本作のガンダムは従来のシリーズが持っている「反骨精神の象徴」なんてカッコイイ属性はひとつも持ち合わせていない。あの鉄血にすらあったのに。

戦わないスーパーロボット、超カッコ悪い。

 

 

 

 

 

 

主人公が独裁者

ガンダムシリーズでは主人公が体制側に立っている場合が多い。もちろん水星も例外ではない。解決するとリアルではなくなるので差別や格差に関しては結構ぶん投げることも多い。

じゃあ問題ねえじゃん!って思うだろう。しかし水星の場合はそれが大きな問題点になる。なぜかというと実質的な主人公のミオリネは搾取している張本人デリングの子供だからである。マスクの言葉を借りるなら「将来独裁者になる血筋の者」だ。地球寮を乗っ取る姿はまさに独裁者そのものだった。しかも終盤でミオリネは主人公補正で都合よく交渉を進めベネリットグループの総裁になってしまう。

なのでほかのガンダム作品のようなぶん投げは決して許されないのだが、流石に主役陣営が悪者である自覚があったのか最終回でベネリットグループを解散し強引に解決することでお茶を濁した。

 

 

 

 

 

シャディクに罪を丸投げ

答え合わせである。どうやって全ての事件を解決したか?それはシャディクに全ての罪を丸投げしたから。確かにフォルドの夜明け関連はシャディクが仕組んだことだが、彼は戦争シェアリングに異を唱えた作中唯一の良心なので悪とは言い難い。

最終回ではミオリネとの「取引」により彼の悲願であったアーシアン復権は一時的に果たされた。

その取引の内容は要約すると

・ミオリネはシャディクの望み通りベネリットグループを解体しその資産を地球に売却。

・シャディクはそのために全ての罪を背負う。

である。

一見シャディク完全勝利に見えるかもしれないが、なんとシャディクは何一つ自分が悪くないクワイエットゼロ関連まで背負う事になってしまった。しかも結局その資産も宇宙に吸い上げられているらしい。あれ?完全敗北?

「さよなら」と別れを告げていたから恐らくシャディクは死刑になるだろう。しかし全ての元凶のデリングは元気に生きており、地球で大虐殺を行ったプロスペラも車椅子生活とはいえ家族揃って仲良く幸せに暮らしている。こんなに胸糞悪い話ある?何も解決しなかったとはいえ胸糞度で言えば鉄血の方がまだマシなんじゃないか。

まあシャディクからしたら元カノ?幼なじみ?のミオリネにかっこいい所が見せたくて全ての罪を背負っただけの可能性もあるので一概に可哀想とは言えないかもしれない。シャディクガールズたちも救いたかっただろうしね。

「シャディクかわいそう」ではなく「罪を背負うシャディクかっこいい」に誘導しようとする小賢しい脚本には反吐が出る。やたら過去作の雑なオマージュ*4が見られる本作だが、このシャディクの末路はゼロレクイエムオマージュのつもりなのだろうか?*5

 

 

🌈追記🌈2023/08/01
【悲報】スレミオ、結婚してない

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これはガンダムエース2023年9月号(左が紙、右が電子)のインタビュー記事の一部である。

ポリコレ(=アメリカ)媚びのための百合要素だが中国でも商品展開するためあちらこちらに忖度した結果こんな中途半端な結果になってしまった。

公式ツイ…Xでも謝罪文を出している。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 on Twitter: "月刊ガンダムエース2023年9月号掲載のインタビュー記事についてのお詫び 詳細は以下をご確認ください。 https://t.co/E7sBLgnWjJ https://t.co/kEmfOLdZ6E" / Twitter

だがこんな謝罪になんの意味があるのか?

誰とセックスし誰と結婚しようがスレッタは頭空っぽのラジコンであり、ミオリネは傍若無人な独裁者であり、主従関係の域を出ないし水星がガンダムをコケにした駄作である事は変わらない。

クィアベンディングだのLGBTを差別にしてるだのそもそも百合じゃないよねだの外野のバカ共はうるさいが、本文の方で書き連ねた問題点の前ではそんな事はどうでもいい事なのだ。

エラスレだろうがグエスレだろうがグエミオだろうが水星の魔女はクソアニメです。カップリングは関係ありません。

 

 

 

 

結局何がやりたかったの?

繰り返すが本作は「50周年に向けてガンダムの客層を広げる」という目的で制作された。なので作品を通してのテーマなんてものはない。

だがそれは悲しすぎるのでせめて私が無理くりにでもこじつけてあげようと思う。

ずばり依存からの脱却である。スレッタがミオリネやプロスペラの依存から脱却できたのは相手から捨てられたゆえの結果論なので脱却もクソもないのだが、逆にこれしか作品通してのテーマ性は見つからなかった。

話が少し逸れるが、ガンダムシリーズの原点にして最高傑作・ファーストガンダムを私はガンダムに依存していた少年がガンダムを捨てて帰る場所を見つける話」だと思っている。

 

そういう意味では水星の魔女は

「客層を拡張しつつ原点回帰を目指した作品」

なのかもしれない。

 

そんなわけあるかバカ

 

 

 

まとめ

毒親問題

→全員縛られたまま親を肯定しました。デリングもサリウスもプロスペラも無罪!w

 

・差別や貧困

→強引に解決したようで実は何も解決しませんでした!これからもアーシアンスペーシアンのために殺されてください!


・人殺し

→トマトベチャアはただのバズ狙い、虐殺や人体実験も無罪!w


ガンダムの呪い

→誰も疑問を持たないので素質と気合いで乗ったら要介護になりました!wでもガンダムは全部消滅したので解決!

 

スレミオ同性婚

→パートナーはおろか対等な人間関係にすらなれませんでした!w

 

 

この作品は全てに意味がないクソアニメです。

 

おわり

 

 

*1:ソースはガンダムエースだかニュータイプだがその辺の雑誌。興味あったら君らが探してくれ

*2:ベネリットグループが議会連合の権威を脅かすほどに力を持ちすぎたという設定はユニコーン連邦政府に口出しできるくらい権力を持ったアナハイムに近いかもしれない。

*3:鉄血はバルバトスがラスボスだと考える事も出来るが、その場合ジュリエッタという名前がついてるだけのモブ同然のキャラクターが主人公って事になってしまうので絶対に違う。種死のラスボス機体?レジェンドじゃね知らんけど

*4:ユニコーンのオマージュが非常に多いが、オマージュの元ネタから既にクソおもんないよね

*5:ただし大河内不参加の劇場版でルルーシュは永遠の命を生きる事で罪を償い続けている