私はスパロボにおけるエヴァンゲリオンという作品の扱いにあまり納得していない。
エヴァは好きなので世界観の根幹として大きく扱ってくれるのはとても嬉しい。
しかし、どうも違和感というか、腫れ物に触るかのような扱いに感じてならないのだ。
その「違和感」をエヴァが参戦したスパロボごとに具体的にまとめていく。
スーパーロボット大戦F/F完結編
いきなりやべえのが来てしまった。
一応初参戦である。「一応」とわざわざ言っているのは「バンプレソフトが作るα以降からが本当のスパロボ」という私の持論ゆえである。まずここに納得できない人はブラウザバックしてください。
原作再現シナリオもクロスオーバーシナリオもシミュレーションゲームとしてのバランスも酷い出来のいわゆる「ウィンキースパロボ」である本作だが、社会現象となったエヴァに関してはかなり再現が多く優遇、というより忖度されている。*1
サキエル戦、シャムシエル戦はもちろん「決戦、第2新東京市*2」、ガギエル戦は意外なDVE付き*3で、バルディエル戦とゼルエル戦も再現…とここだけ聞いていると聞こえはいい。
しかし、キャラクター単位だと非常に粗が目立つ。庵野監督考案の「ブライトに修正されるシンジ」はスパロボ史に残る汚点クロスオーバー*4だし、完結編ではアスカがよりにもよって「ガンダムW」のカトル*5といい仲になる。あんたバカぁ?
綾波が特攻する相手もなぜかゼルエルではなくラミエルで、無様にもアルミサエル戦の台詞を吐き散らしながら自爆してしまう。わざとやってんのか?
極めつけは完結編の最終話のひとつ「未完のシ者」である。
不穏なサブタイトルから察した人もいるかもしれないが、その内容は第弐拾四話「最後のシ者」をベースに作られた打ち切りエンドである。
まあ、擁護するなら開発当時はまだEOEが公開していなかったため説明不足なTV版最終回をベースに作るよりは確実に安牌かつゲーム上の盛り上がりが得られるからだろう。
この点に関してはあまりいじめるつもりはない。しょうがないし。
初号機のゲーム中の機体性能としては攻撃力の高いLサイズでありながらシンクロ率により回避性能が高く、4000以下無効のA.Tフィールドを持つぶっ壊れ性能のスーパー系である。
しかし弱点もハッキリしていてアンビリカルケーブルの関係で移動力が低い*6、落ちれば暴走(これは普通に長所にもなる)、空が飛べない、宇宙適性が低いので完結編では置物になりやすい、など。
地上ではビルバインの次の次の次くらいに最強クラスのユニットだったと思う。
スーパーロボット大戦α
真打登場。本作は「αシリーズ」と呼ばれる四部作の一作目であり、未だに傑作と名高い。私も好きなスパロボの一つである。
エヴァ、トップ、そして第3次αのイデオンはFではなくこちらが実質的な初参戦と考えている。
しかし昔のスパロボゆえに同人サークル臭いノリが多い*7のは否めない。
原作再現は多く、念願のEOE再現もなされ「ちゃんと終わる」事ができた。
世界観の根幹にも組み込まれていて上手くクロスオーバーが出来ていた。
カヲルがビッグファイアについて詳しく知っていたり、EVAとチルドレンはNERVからの出向という立ち位置で過度に自軍と干渉し過ぎない事でエヴァの雰囲気を壊さない配慮も出来ていたり、シンクロ率400で初号機に取り込まれたシンジにT-LINKシステムで呼びかけるリュウセイだったり。
そして
私は「無敵鋼人ダイターン3」が全てのロボットアニメで一番好きで、破嵐万丈もあらゆるアニメキャラでトップクラスで好きだ。
万丈はシンジ同様父親と確執があるので碇親子との絡みが多かった。*8ここは素直に面白い。
しかし、「男の戰い」での加地の役割を万丈にさせるのは果たしてクロスオーバーと呼べるのか?
一番気に食わないのは碇シンジの扱いだ。
エヴァがそこまで好きではない人にとっては「他作品の優しい大人に支えられて曇らず成長できた」と喜ばしく感じられただろう。
しかし私は碇シンジを「誰かに支えてもらわなきゃ立てない弱い男」だとは思っていない。
私にとってのシンジはエヴァに乗ったその日から、全て自分で決断し、何度心を折られても、自分の決断のせいで後悔することになっても、最終的には一人で立ち上がる事が出来る誰よりも強いスーパーロボット主人公なのだ。
しかしαシンジは本編よりもメンタルの弱さが強調され、周りのキャラクター達はシンジに対して異常なほどに過保護である。
はっきり言って不愉快でした。
しまいにはアスカを精神汚染するのはアラエルではなくスパロボラスボスの反面教師ことユーゼス・ゴッツォ。死ねゴミ
エヴァイベントを乗っ取るのも「それも私だ」で通すんか?アホか。
機体性能の話だと優秀なボスキラーでした。マゴロクソードが強かった。
第3次スーパーロボット大戦α
αシリーズの完結編であり、無印αの根幹だったジャイアントロボが参戦できなかったり急遽決まったガンダムSEEDの参戦だったりで想定していた形で完結できなかったと「残念な完結編」と言われている本作。
しかしクロスオーバー面では「MX」に次いで優秀で、なんと「伝説巨神イデオン」の第6文明人=第一始祖民族というもの。
第52話「世界の中心でアイを叫んだけもの」では第6文明人の意志を吸い尽くし統一意志となったイデが「人類補完計画に賛成しているのでαナンバーズを助けない」という選択を取った時は正直震えた。
ただ無印αで既にEVAシリーズ戦まで再現しているので今更感が強いし、できる事なら無印αではゼルエル戦までで切り上げて残りを第3次に回して欲しかったところだが、こういう融通が効かないのもシリーズ物の運命。仕方ないか…
どうやらカヲルはMXの記憶を引き継いでいるらしい。こういう第四の壁を超えたクロスオーバーはエヴァならではかもしれない。*9
碇シンジの扱いについてだが「多くの版権キャラとの関わりで成長したシンジが簡単に絶望し、直後に簡単に立ち直る展開がご都合主義すぎる」と叩かれがちだ。
私はこれに異を唱えたい。
確かにクソみたいな展開だが、そもそもαシンジは無印の時点で誰かに支えてもらえなきゃ立ち上がれないゴミクズメンタルである。
あそこで絶望するのは解釈一致である。
機体の話をするならF型装備実装は地味に嬉しいところ。あと零号機改が何故か槍を必殺技扱いでぶん投げていたのだが大丈夫なのか?
最後にこれだけ言わせてください。
第3次αのエヴァシナリオがクソなのは無印αからです。