スーパーロボット大戦は30周年を迎えた。
そしてそのスパロボにはロボットアニメの金字塔「マジンガーZ」から始まるマジンガーシリーズがほぼ毎回参戦している。
今回は前回のスパロボエヴァとは趣向を変え各スパロボではなく各作品ごとに語っていこうと思う。
マジンガーZ(東映TVシリーズ)
初参戦:スーパーロボット大戦
最新参戦:スーパーロボット大戦NEO
漫画が主流のゲッターロボとは違い、多くの人はマジンガーZと言われればこれを連想するだろう。私が一番好きなマジンガーもこれだ。
DC戦争シリーズ、MX、IMPACT、αシリーズ、Zなど半数以上のスパロボに参戦し、時に勇敢に、時に聡明に戦ってきた。
しかしスパロボでの扱いにおいては非常に大きな問題点があった。
なんと、
原作再現がされていないのである。
全くとされていない言えば語弊がある。
初代αではグレートマジンガーとのバトンタッチとして最終回ではなく「マジンガーZ対暗黒大将軍」をベースに再現をしていて非常に胸が熱くなった。
エピソード単位では64で「泣くな甲児!十字架にかけた命」という傑作が再現されている。
しかし、多くの場合グレートマジンガーと同時に参戦することもあり原作再現はグレートマジンガーがベースになってしまう。*1
そのためキャラクター単位やクロスオーバーシナリオでは優遇されていても、シナリオ再現においての「マジンガーZ」は非常に扱いが悪いのである。*2
劇場版マジンガーシリーズ
初参戦:スーパーロボット大戦
最新参戦:スーパーロボット大戦DD
クレジットこそされないものの、こちらは東映TVシリーズと違い、非常に扱いが良い。前述した通りαでは「マジンガーZ対暗黒大将軍」が再現され、MXでは「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣」「グレンダイザー対グレートマジンガー」を大々的に再現し、「マジンガーZ対デビルマン」もデビルマンが参戦していないため、再現こそされてはいないが世界観の繋がりを匂わせる会話が見られた。*3
ウィンキー時代からもピクドロンやギルギルガンなど敵キャラは常連。
DDではなんとα外伝の超強敵メカギルギルガンが登場。新設定がどんどん生えてきて流石はダイナミックだと膝を打った。
スパロボXでは参戦作品は真マジンガー名義だがグレートマジンガー初登場シナリオではなんと「マジンガーZ対暗黒大将軍」でのやり取りが再現された*4。
のちにデビルマンは「スーパーロボット大戦DD」に衝撃の参戦を果たすがマジンガーZと共演した事のある東映アニメ版ではなくさらに衝撃の原作漫画版。
しかし、DDに参戦しているマジンガーZやゲッターロボは漫画準拠のOVAなのでより違和感なくシナリオに絡んでいるので結果オーライ。
グレートマジンガー(漫画版)
アニメ版のメンヘラのプロとは違い、めちゃくちゃ強くて覚悟ガンギマリでバイオレンスでかっこよくてちょっとスケベな剣鉄也が見られる桜田吾作の大傑作・漫画版グレート。
シナリオ面での再現はほとんどなされないが、スパロボ補正でかっこよくなっている剣鉄也はある意味漫画準拠なのかもしれない。
αやIMPACTなどゼロ年代のスパロボでは漫画終盤に登場した量産型グレートがよく参戦する。
中でもMXでは「UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー」に登場するバレンドスが量産型グレートを利用するというクロスオーバーがなされた。
バレンドスは映画内でもロボット博物館からグレートマジンガーを盗み出し悪の限りを尽くしたので自然なクロスだと思う。
真マジンガー 衝撃!Z篇
初参戦:第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
最新参戦:スーパーロボット大戦X
スパロボのマジンガーもついに今川のクソアニメに世代交代した。一応漫画版準拠だが様々な派生漫画*6や今川の代表作「ジャイアントロボ地球が静止する日」の要素が盛り込まれた闇鍋作品。オチの事もあって私はこんなものを作品と呼びたくないがここは抑えて「作品未満のゴミ」と呼ぶことにする。
しかし、この作品未満のゴミがスパロボに参戦した事はマジンガー好きとして嬉しかった。
それはなぜかというと、大々的に原作再現をしてくれたからだ。
スパロボ20周年記念作品でマジンカイザーでもグレートマジンガーでもない。紛い物とはいえ腐っても「マジンガーZ」でありその原作再現がなされるのは本当に喜ばしい。
兜十蔵から「神にも悪魔にもなれる」マジンガーZを託される甲児。これがスパロボで見られる多幸感。エヴァやガンダムが当たり前のようにやってきたこの第1話再現がやっと見られる。
私以外のスパロボユーザー(クソデカ主語)はマジンガーZを軽視しているのでこの気持ちは一生分からないだろう。
第3次Zではミケーネ神が「真化」を果たした者として扱われ作品の根幹に組み込まれている。
私はマジンガーZがこんな大きな扱いを受けるなんて夢にも思わなかった。
本当にありがとうございます。
クソみたいなアニメだったが、BXでも第3次Zでもスパロボなりの決着をきっちりつけてくれて本当にありがとうございました。
真マジンガーZEROvs暗黒大将軍
機体のみ初参戦:スーパーロボット大戦V
実質的な初参戦:スーパーロボット大戦X-Ω
Vで登場した際は「衝撃!Z編」の設定がベースで機体のみ参戦*7かつ原作終了後となっているのが、あのオチを知っていると無限の可能性の光を信じたZEROが助けてくれるという非常に熱い展開で参戦。
続くスマホアプリX-Ω 通称「スパクロ」に期間限定でキャラクター共々本格参戦した。
グレートマジンカイザーやアルテミスAなどV未登場の機体も参戦。
そしてイベントシナリオ「其れはまるで御伽噺の様に」ではロボゲ界屈指の名作デモンベインとクロスオーバーした。
シナリオの黒幕でありながら、ナイアに従った振りをしながらずっと負の連鎖を断ち切るためにナイアを取り込んだ自分を二つのトラペゾヘドロンで倒させる、というとんでもない立ち回りをする。
非常に面白いシナリオだったが、家庭用ではなくスマホアプリでこのスパロボ歴史に残る祭りを消費したのは本当に悪手だったと思う。
マジンカイザー(OVA)
初参戦:スーパーロボット大戦GC
最新参戦:スーパーロボット大戦DD
漫画版準拠のOVA、いわゆる「ズババンじゃない方」のマジンカイザー。
実は参戦回数がそこまで多くなくGC(XO)、J、LくらいでDDで久々にOVA版が参戦。
マジンカイザーが主役機体ゆえにマジンガーZの扱いが非常に悪い本作だが、なんと最新作「DD」ではOVAの前の時系列から物語が開始するためマジンガーZが大活躍。嬉しい!!!!!!!
OVAの劇中では装備していなかったジェットスクランダーと冷凍ビームをひっさげドクターヘルの地下帝国と激闘を繰り広げている。
鉄也も参戦名義こそOVAだが「バックスピンキックが使える」「重体から復活する」という、まるで今までの東映版の扱いの悪さの鬱憤を晴らすがごとく要素が取り入れられている。
一方でマジンカイザー初登場シナリオはやたらと歌詞の引用が多く稚拙な内容だったが、個人的にはシナリオライターがOVAアンチの東映版信者だという事がわかり共感できて嬉しかった。
マジンカイザー(オリジナル版)
初参戦:スーパーロボット大戦F完結編
最新参戦:スーパーロボット大戦X
「ズババンの方」のマジンカイザー。初登場のF完結編ではゲッター線によって進化したマジンガーZがマジンカイザーである、という大胆なクロスオーバーがなされた。
一方αシリーズではマジンガー版トールギスのような設定を与えられたが、エヴァンゲリオンと深くクロスオーバーしていてこちらも好印象。というかお母さんの魂宿ってるしまんまエヴァでしょ。
そしてスパロボVではグレート版カイザー・マジンエンペラーGが登場。衝撃!Z篇と真マジンガーZERO、そしてゲッター線=ドラグニウムというクロスアンジュの設定まで盛り込んだとんでもないマジンガーである。
搭乗している鉄也はもはや実質スパロボVオリジナル主人公と思っていいだろう。
Xのカイザーとエンペラーは知りません
マジンガーZ INFINITY
先行登場:スーパーロボットX-Ω
初参戦:スーパーロボット大戦T
東映版「グレートマジンガー」の10年後が舞台となっている劇場版。大好きな映画です
スパクロの参戦は映画公開前の先行登場で、シナリオ再現という意味での初参戦はTが初となる。
Tの参戦はCCAアムロ、OVA竜馬と並び御三家がついに同世代になったのはとても感慨深いものがあったが、私はそんな事は正直どうでもいい
この時代に最強のスーパーロボット「マジンガーZ」が主題歌「マジンガーZ」をバックに主役級の大活躍をする。それがたまらなく嬉しかった。
しかしスピード参戦な事もありボスボロットやビューナスAが使えなかったり戦闘アニメの再現度が悪かったり荒削りな部分は多いので次回の参戦に期待大である。
最後に。
私はマジンガーZが大好きです。
バンナムさん、BBスタジオさん、最新作こそ東映版のマジンガーZをちゃんと再現してくれると嬉しいです。30周年はいい機会だと思いますよ。
*1:これはガンダムシリーズにも見える傾向で、「SEED DESTINY」や「Zガンダム」はグレートマジンガー同様前作主人公や主要キャラクターが続投するため一作目ではなく二作目ベースの参戦が多い
*2:近い扱いなのは「超電磁ロボ コン・バトラーV」と「勇者ライディーン」で、この二作もクロスオーバーこそ多いもののガッツリ原作再現をしたのはIMPACTくらいである
*4:私がXで一番好きなシーン
*5:余談だが東映まんがまつりの「○○対△△」で唯一ガチバトルしたのはこれだけだったりする。しかし悪の手に渡ったゆえの対決なのでヒーロー同士を戦わせないようかなり配慮がされている。
*6:「バイオレンスジャック」や「Zマジンガー」など